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■始まりのこころ
太陽が天を支配する時は終わり、日が落ちるのも早まってきた。 日本と同じ気候の心魔は今、秋である。 秋はイベントの多い季節でもある。その中でも最も大きなイベントは、心魔の全てを巻き込んだ大イベント・心魔際である。 その名前通り、これは学園祭である。しかし普通の学校と違い、心魔学園はそれ自体がひとつの町。よってこの祭りも半端ではない催し物となる。 各クラス・サークル・さらには一般の商店などもお祭りムードとなり、心魔は学園祭一色に染まる。 心魔祭は3日間に分けて行われる。初日の開会式から最終日の閉会式まで。来場者は数千万単位であり、動く金は日本円で億単位と言われているが、定かではない。 当然ながら教員の忙しさは最高となる・・・と思いきや、実はそうでもない。学生の自主性が高いためだ。教員は主に事故対応と見回りのみをこなし、残る仕事は生徒が分担している。 特に今年は結界日の動乱があったりして、学園のあちこちが暗いムードだった。それを吹き飛ばさんと言わんばかりに、例年以上に力が入っている。 皆が祭りを楽しみにしていた。本当に、様々な人間が――。 「首尾はどうだ」 「完璧です。成功も間違いなさそうですね」 「そうか。となれば、我々の天下も近そうだ」 「ええ。不安要素と言えば、天原聖と新藤玄馬のみ。学園長はただのジジイですし、他の教師は戦闘慣れしていませんからね」 「如月秀一と風峰桔梗は?」 「それこそ論外ですよ。『穢れた血脈』やちょっと戦いなれた子供に我々が負けるはずないでしょう?」 「・・・ふむ、それもそうか」 「ええ。後は学園祭でも楽しんで下さい。一日くらいは、ね・・・」 |