いつもの焔色的超空間。
 クリスマスを控えたある日のこと、数人のメンバーが集まっていた。
「で、何なんだこのメンバー」
 『竜神』のヒカルは、主催である『ロード』の聡に問いかける。
「決まってるだろ」
 対する聡は深々と頷き、
「リナ対策会議だ」
 そう答えた。
「『ジャック』のリナは、お前たちも知っての通り、この時期――クリスマスには、だいたい凶暴化する」
「凶暴じゃない時期があんまりないような……」
 『おぼえがき』の古木が言うが、聡はあんまり気にしない。
「というわけで、あいつによる被害をどうかわすか、そこが主体だ」
「そうは言うけど、なんでこのメンバーなんだ」
「全員彼氏彼女持ちだ」
 そう言って、聡は円卓を見渡す。
 ヒカル、聡、古木。
 加えて、『死んでも叶えたい夢』のヴァンに、『勇者育成』のマリナ、『世界一不幸』の光子と、『なみだ』のカズマ。
 そして、『必要条件』のリオンである。
「この時期のリナは、今までの傾向からして、特にフリーじゃない奴に攻撃が激しいからな」
「ちょっと。あたしは彼氏なんていないわよ」
 抗議の声をあげたのは光子。だが、これには全員が賛同しない。
「それを言ったら笹森君が可哀そうだよ」
「普通に告白してたじゃん」
「うんうん」
「……あんたたち、後で覚えてなさいよ」
 顔を真っ赤にしながら口をとがらせる光子はさておき。
「でも、対策なんてどうしようもねえじゃん?」
「クリスマスに参加しなければいいだけじゃないのか」
 言ってのけたのはカズマ。
「年に何度も出番ないのに、このチャンス逃せないだろ」
「もうストーリー終わってるんだから、無理に出張らないでもな……」
「るせえ。却下だ」
「なら、顔を合わせなければいいんでしょう」
 言ったのはマリナ。
「なにも、喧嘩するような相手と一緒にいなくてもいいじゃない。別々の部屋でやれば? どうせこの空間、なんでもありなんでしょう」
「なんでもありだが、部屋を分けたところで、リナは突撃してくる気がする」
「あー……」
「じゃあよければいいんじゃねーの」
 意見を出したのはヴァン・レクサス。
「誰も彼もお前みたいな超反射じゃねーの。てかお前、どうやってあの炎をよけてるんだよ」
「んー、勘?」
「却下だ。動物かお前くらいしかできねえよそんなの」
 動物でもできません。
「そ、それなら、話し合いとか……」
 平和的な解決方法を求めるのは、リオン・テイラー。彼らしい意見ではあるが、
「そもそも説得できるような奴なら、あんな暴れ方しねえだろ」
「猪か何かなの?」
「あながち間違いではない」
 本人が聞いていたら激怒確実である。
「なんかこう、あれもこれもダメってなると、案がなくなっちまうな」
「却下している本人が言うか」
「でも、オレの言っている理屈もわかるだろ?」
「まあね。……実はオレに秘策があるんだけど、やってみる?」
「ヒカルの秘策? なんだよそれ」
「まあ、任せてよ」
 そう言って、ヒカルはにやりと笑った。

当日


 やけに騒がしい隣の部屋とは裏腹に、その部屋は平和的な空気に満ちていた。
 隣室では何やら戦場かとおぼしき爆発音が響いたりしているのだが、防音性能がしっかりしている壁は、そんなにうるさくもない。
「うん、やっぱり静かなのはいいな」
「あんた、普通に聡を売ったわね」
「最善策。ほら、なんだかんだ、リナと聡って仲いいし」
「……まあいいわ。あたしも今回は被害出ないし」
「ま、後でアンジェラが助けに行く予定だから」
「今は?」
「リナのストレス発散タイム。ほら、時間置くとイライラがたまるじゃない?」
「犬の散歩か」






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