「焔色主人公格付けチェック〜! どんどんぱふぱふ〜」
「口で言うのね」
「本日の司会裏方庶務全般、リナちゃんと光子、はすみ、アンジェラでお送りしまーす」
「名前で呼ぶな」
「……」
 温度差のひどい司会進行だがさておき。
「格付けなんとかってことは、テレビのあれ?」
「てれび?」
「お正月とかによくやってるんだよね。高級食材と安い食材、食べ比べて当てられるかっていうクイズ番組」
「あー、そういうこと」
 わいわいがやがや。
 今日も焔色空間には主人公ズが集まっている。今日は横並びの長テーブルに白いクロスが掛かっている。が、人数が人数なのでやたらと横に広い。披露宴か。
「いつもあたしの料理に文句つける連中に、じゃあ食ったらわかるんかい! っていう挑戦をしにいくゲームです。拒否権はないわ」
「いつもながら横暴じゃないだろうか」
「いつもならいつもなんじゃ?」
「シャラップピーポー。今回は3択よ。高級食材をはすみが、普通の食材を光子が料理しているわ。加えてあたしの料理! 食べ比べて当ててみやがれ」
「おれ、リナの料理なんて食べたことないんだけど……」
「一番まずいの当てなきゃいいんだって」
「おいテメエ」
「というか」
 そこで手をあげたのは黒木誠一。
「それはつまり。リナの料理を確定で食べなければいけない、ということでは……?」
「エサクタ」
「おじさんは明日の仕事に差し支えるからやめておこう」
「大丈夫よフォスター、明日は有給になってっから」
「頼んでもいないぞ!」
「るさい! 料理カモン!!」
 からころからころ。
 厨房から台車で料理を運んできたのは、はすみとアンジェラ。3つの料理を人数分に配っていく。
「テーマは蟹料理! 123から選んでね!」
「……」
 1つめの料理はカニ玉のようだ。あんかけになっていて、普通に食堂で出てきそうな見た目。
 2つめの料理は茶碗蒸しらしい。小さな茶碗に、見た目にも綺麗な卵が固まっている。
 3つめの料理はーーなんだろう。
「カニ玉、カニ茶碗蒸し、カニ雑炊よ! さあ、どれがどれだか、当ててみなさい!!」
 雑炊だったらしい。だが、普通の雑炊は一般的に白っぽいのに対し、これは褐色だ。何が入っているのか想像がつかない。
「……」
 嫌だと言ったら炎が飛んでくることは明白。その程度でダメージを受けないメンバーもちょいちょい混じるが、さておき全員が一口ずつ料理を食べてみる。
「このカニ玉、すっげーウマイ!!」
「めっちゃ濃厚だわ!!」
「茶碗蒸しもいいなー。飛び抜けてるってわけじゃないけど、ほっとする味」
「わかる。家庭的な感じがする」
「雑炊もウマイと思うぞ」
「ヴァンは食べ物ならなんでもいいのでは……。ぐふっ」
「この褐色は、もしかして醤油か……?」
「しょっぱい」
「血圧上がってきたな……」
「うんうん、みんな美味しそうね! ではフリップに回答どうぞ!!」
 机の上に置かれていた板に、めいめい回答を書き込んでいく。
「全員書いたかしら? じゃあフリップオープン!!」

『
 1はすみ
 2光子
 3リナ
』

 満場一致。
「ほらー、だから全員外さないよって言ったじゃない」
「茶番ね」
「どうでもいいけど、ナニカってあれ高級食材なわけ? まあ、スーパーのカニカマよりは高級かもだけど」
「え!? あれカニカマだったの!? 普通にカニだと思ってた!!」
「何人か騙されてんじゃん……」
 わいわいがやがや。
 見事に騙したのは主に企業努力(カニカマ)だけという話。
「なんで!! わかるかッ!!」
「なんでわからいでか!?」
「るさい!!」
「ぎゃー!! 炎はずるいぞ!!」
 どたどたばたばた。
 騒がしい空間でテーブルひっくり返ったりしているが、さておき。
 部屋の隅で、美空はアンジェラに話しかける。
「あのナニカっての、あんたが狩ったわけ?」
「そうよ」
「ふうん。強い?」
「強さというよりは、特異な存在と呼ぶべきかしら。己を条件で律し、その外枠には出ない存在」
「今度は私も狩りに行こうかしら」
「あら、どういう風の吹き回し?」
「あんたが言ったんでしょ。少しは近づいてやるわ、こいつらならね」
「ふふっ。良いことだわ」
「ふん」
 皿が飛び交いテーブルがトリプルアクセルする空間で、アンジェラは少しだけ楽しそうであった。



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