「警部。パトカーでタバコやめてくださいよ」
「うるせえ。今は外じゃ吸えないんだからパトカーくらい吸わせろ」
「まったくもう。で、検分はどうでしたか」
「ありゃあひでえな……。両親共に惨殺だ。ぐちゃぐちゃで見れたもんじゃねえ」
「猟奇殺人ですか。嫌ですね」
「ああ。ただ、あんだけ荒らしている割に金品は無事だ。まあ、異常者の犯行で間違いないだろうな」
「そうですか」
「被害者の娘が一人、生き残った様子だが……。かわいそうにな、まだ中学生だぞ」
「その子供はどこに?」
「先に警察署へ届けてもらった。こんな家にいさせられねえだろ」
「こんな家を見てないんですけど」
「後で見ておけ。鑑識出たらな」
「あんま見たくないんすけど……」
「バカか。まあ、気持ちはわかるよ。お前じゃアレ見たらハンバーガー食えなくなるんじゃねえか」
「おどかさないでくださいよ……」
「俺がそういう気分なんだよ」
「警部が!?」
「……あれだけの猟奇殺人は俺でも初めてだ。殺しを楽しんでいるって風だな。この事件、長引くかもしれん」
「いやですねぇ。犯人、早く捕まえないと何を言われるやら」
「そうだな。俺も犯人に聞いてみたいよ。お前、何を考えたらこんな……。”人が人を壊す”ような真似ができるんだよ、ってな」